選ばれるデイサービスになる方法・集客のコツ|ケアマネへの営業方法も解説

スタッフの負担を軽減し、働きやすい職場にするためには、業務の改善が不可欠です。この記事では、介護業務を改善させるメリット、そして働きやすい環境にするためのアイデアを紹介します。


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デイサービスの利用者をもっと増やしたい―。事業所を立ち上げたばかりの経営者であれば、誰もが抱える思いです。では、実際どうすれば良いのでしょうか。この記事では、集客がなかなかうまくいかないケースの問題点を整理したあと、具体的な実践方法を解説していきます。

デイサービス経営を取りまく現状


高齢化が進む中、介護のニーズももちろん増えています。介護施設の件数は年々増加しており、厚生労働省の調査(令和3年)によると、デイサービスの事業所数は全国で2万4千超にのぼります。

競争が激化している中で、自身の事業所のサービス稼働率を維持するには、いったいどうすれば良いのでしょうか。もちろん、利用者に選ばれる施設をつくることが大前提です。でもそのためには、競合他社との差別化、そして発信・集客方法の工夫が必要になります。

出典:「令和3年 介護サービス・事業所調査の概況」(厚生労働省)

そもそもデイサービスの集客がうまくいかない原因は?

デイサービスの集客がうまくいかない原因はさまざまですが、ここでは4つのポイントに分けて解説していきます。


ターゲットの設定が曖昧


集客を増やしたいからといって、単純に門戸を広げ、むやみに情報発信を増やしていけば良いわけではありません。そもそものターゲット層の設定ができていないと、利用者とのマッチングがうまくいかず、サービスの質が中途半端になってしまうおそれがあります。

まずはどんな方たちに利用してほしいのか、どういったケースが得意なのかを、改めて考える必要があるでしょう。


アピールポイントがわかりにくい


デイサービスが増えているということは、利用者側の選択肢が増えているということ。競合他社との差別化は、必須になります。どんな事業所なのか、どこが強みなのかが一見して分からないと、どうしても埋もれてしまいます。


集客方法に偏りがある


いくら良質なサービスを提供していても、外に伝わらなければ、利用者の拡大にはつながりません。そこで重要になるのが情報発信ですが、その方法やチャネルに偏りがあると、ターゲット層に情報が届けるが難しくなります。


問い合わせ対応や見学対応が不十分


問い合わせや見学を希望する方は、具体的に利用を検討している層であり、まさに「顕在顧客」といえます。顕在顧客への対応がしっかりできていなければ、もちろん集客には直結しません。

選ばれるデイサービスになるための方法

では、どうすればサービス稼働率を維持、または向上させることができるのでしょうか。ここでは、選ばれるデイサービスになるためのポイントを4つ解説します。

利用対象者を絞り込む

利用者のニーズにしっかり応えるためには、そもそもどんな方に利用してほしいのか、一度整理する必要があります。ターゲット層を明確にすることで、今度は「どのようなサービスに注力すべきか」が見えてきます。

認知症対応なのか、リハビリに特化するのか、レクリエーションに力を入れるのか、ポイントを定めていきましょう。


アピールポイントを明確にする


利用者層を言語化できたら、次は「強み」や「売り」を明確にしていきます。ここで大切なのは、他社にはない独自性を出していくこと。「きめ細かな認知症対応」、「入浴設備の充実」など、できるだけ具体化していきましょう。


集客チャネルを増やす


アピールポイントを明確化できても、情報を届けられなければ意味がありません。まずはターゲット層がどのように情報を取得しているのかをリサーチします。

SNSでの情報発信、ホームページの充実、交流会の企画やケアマネジャーへの営業(後述)など、デジタル・アナログ含む複数の媒体で集客を図ります。


問い合わせ対応を強化する


問い合わせや見学希望者が来た際、組織全体で丁寧に対応できるよう、一度根本から方法を見直します。問い合わせが来たときの記録方法や管理体制、見学対応のマニュアル作成など、確実に成約へつなげるための仕組みづくりをしていきましょう。

ケアマネジャーから選ばれるデイサービスになるには?

サービス稼働率を維持するにはさまざまな方法がありますが、中でも特に不可欠と言えるのが、ケアマネジャーから選ばれる事業所になること。ケアマネは、集客戦略の中でも優先度の高い営業先と考えたほうが良いでしょう。ここでは、営業の実践方法について解説していきます。


既存業務での報告・連絡・相談を徹底する


どんなに差別化や集客に注力しても、ケアマネとの信頼関係が構築できていなければ、当然ですが効果は見込めません。ここで一度基本に立ち返り、すでに利用されている方たちへの対応を見直しましょう。

既存利用者の報告・連絡・相談を徹底することにより、ゆっくりでも確実に、ケアマネとの信頼関係につながっていきます。


ケアマネジャーが忙しくないタイミングで営業する


営業の内容だけでなく、タイミングも大切です。どれだけ丁寧に準備しても、訪問時に先方が忙しければ、話を聴いてもらえない可能性があります。いつ行けばある程度時間をもらえそうなのか、スケジュールや見通しを聞いておきましょう。

例えば、月初めは介護サービスの給付管理でバタバタするため、なるべく避けたほうが良いとされます。ケアマネが日々どのように動いているのかを知ることが、営業の一歩ともいえるでしょう。訪問する際はもちろん、突撃するのではなく、事前に約束を取り付けたほうが確実です。


事業所を実際に見学してもらう


ケアマネジャーとの関係構築で大切なポイントのひとつが、事業所を実際に見学してもらうこと。強みをアピールする絶好なチャンスです。可能であれば、利用者候補も一緒に見学してもらいましょう。

事業所の独自性を説明したときの先方の反応をしっかり見極め、アピールポイントや方法が現状で良いのか、逐一確認します。また、ケアマネや利用者候補から出た疑問点をしっかりおさえることで、よりより事業所づくりにつなげられるでしょう。

まとめ

サービス稼働率を維持するためには、まず自身の事業所の強みや特色を改めて整理し、集客方法を一つひとつ見直していくことが必須です。特にケアマネジャーとの関係構築は、地域の利用者候補とマッチングしていくうえで最重要項目のひとつといえるでしょう。基本的なことではありますが、その積み重ねによって、地域の人から選ばれる事業所がつくられていきます。

とはいえ、競争が激化し、競合他社との差別化が必至とされる中、日常業務を続けながら集客を図ることは、決して簡単なことではありません。そんなときは、専門家によるコンサルティングを受けるのも有効です。専門知識と経験を持つ、外部の人からの俯瞰した意見は、自身では気が付かなかった事業所の魅力や課題を見つけるきっかけになり得ます。

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