介護報酬の改定は何年ごと?2024年の改定の内容は?

スタッフの負担を軽減し、働きやすい職場にするためには、業務の改善が不可欠です。この記事では、介護業務を改善させるメリット、そして働きやすい環境にするためのアイデアを紹介します。


この記事は約6分で読み終わります。


介護事業を運営する上で、介護報酬の改定は重要なポイントです。介護報酬は、介護サービスの質や内容に応じて国から支払われる報酬のことで、報酬体系は定期的に見直されます。

特に新しく事業を始めた運営者にとって、これらの改定内容を理解し、適切に対応することは事業の成功に直結します。本記事では、介護報酬の改定が何年ごとに行われるのか、そして最新の2024年の改定内容について詳しく解説します。

介護報酬改定は何年ごとに改定される?



介護報酬の改定は、原則として3年に1度行われます。この周期は、政府が介護サービスの質の向上や経済状況、社会保障制度の変化に応じて介護報酬体系を見直すために設けられています。

しかし、必要に応じて中間年にも調整が行われることがあります。これは、介護サービス提供者にとって、経営計画を立てる上で重要な情報となります。

2024年の介護報酬改定では何が変わる?




2024年の介護報酬改定では、以下の5つの点が注目されています。


  1. 地域包括ケアシステムの深化・推進
  2. 自立支援・重度化防止に向けた対応
  3. 良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり
  4. 制度の安定性・持続可能性の確保
  5. その他


改定率は、報酬の増減を示す重要な指標です。2024年の改定では、サービスの質の向上や効率化を促進するための報酬体系の見直しが行われます。

具体的な基本報酬の改定については下記の通りです。

改定率


・2024年は介護報酬と診療報酬が改定=“ダブル改定”の年
(※診療報酬は2年ごとに改定されるため、ダブル改定は6年ごと)

・改定率は全体で1.59%のプラス
 【内訳】
  介護職員の処遇改善分 0.98%プラス(令和6年6月施行)
  その他の改定率 0.61%プラス

・改定率の外枠
  処遇改善加算の一本化で賃上げ効果、光熱水費の基準費用額の増額で
  介護施設の増収効果が期待される⇒0.45%プラスが見込まれる

つまり、合計すると2.04%プラスの改定

出典:「介護報酬改定率、多床室の室料負担、基準費用額(居住費)について(報告)」(厚生労働省)

多床室の室料負担


今回の介護報酬改定および介護保険制度改革における懸案事項として“多床室に関する室料の負担”があります。

“介護医療院・老健施設の一部において、多床室の室料負担を入所者に求めるべきか”
という内容です。

現在は、介護老人保健施設、介護療養病床、介護医療院の多床室は水道光熱費のみ利用者が負担しており、特養老人ホームの多床室の場合は利用者が室料も負担している状況があります。

しかし、要介護・要支援高齢者の増加による“介護費増加”の一方で、支え手となる現役世代人口が急速な減少をしているが故に、介護保険制度の基盤が揺らぐ状況となっています。

このため「利用者負担の公平性確保が議論の中核となっています。

その中で“介護医療院・老健施設の一部における多床室の室料負担”について…

『介護老人保健施設「その他型」「療養型」と介護医療院「II型」について、「月額8000円相当」の室料負担をお願いする』といった方針が成されました。

※ただし、利用者負担第1~3段階の者については、補足給付により利用者負担を増加させないということも記載されています。

また、この室料負担の件と並行して「能力のある人に相応負担をしてもらうべきでは?」という意図で、“介護保険の利用者負担を2割とする人の範囲をどう考えるか”という懸案事項もあがっています。

こちらについては『精緻な丁寧な議論が必要である』という厚生労働省の意見からも見られる通り、現時点では決定している内容はなく、今後、改めて社会保障審議会・介護保険部会で議論が重ねられると考えられています。

出典:「介護報酬改定率、多床室の室料負担、基準費用額(居住費)について(報告)」(厚生労働省)

基準費用額(居住費)


施設における居住費に関する基準費用額の改定も予想されます。これは、施設の維持管理費やサービス提供にかかるコストに影響を与えるため、事業所の経営に直接関わる部分です。

高齢者世帯の光熱・水道費は令和元年家計調査に比べると上昇しており、在宅で生活する者との負担均衡を図る観点や、令和5年度介護経営実態調査の費用の状況等を総合的に勘案し、基準費用額(居住費)を60円/日引き上げるという内容となっています。

出典:「介護報酬改定率、多床室の室料負担、基準費用額(居住費)について(報告)」(厚生労働省)

福祉用具の貸与・販売


福祉用具の貸与や販売に関する報酬体系も見直されます。それは福祉用具の「貸与と販売の選択制」の導入です。

これにともない、事業所には新たにさまざまな対応義務が課せられるようになります。現時点ではおおまかに下記のような状況となります。


  1. 杖・歩行器・手すり・スロープの4種類:貸与OR販売を選択可能に
  2. “貸与”を継続選択した場合、6か月ごとに1回以上モニタリングを行う


これらは利用者側においても事業者にとってもメリットよりもデメリットを感じるといった声もあがっているようです。

2024年の介護報酬改定にともなって事業所がすべきこと



介護報酬の改定に伴い、事業所が取り組むべきことは以下の通りです。

早い情報収集


改定内容が発表され次第、迅速に情報を収集し、理解することが重要です。これにより、適切な経営戦略を立てることが可能になります。

土屋総研では、各介護サービスにおける介護報酬の改定情報の速報についてお伝えしています。下記フォームから速報情報をダウンロードいただけます。事業所でご活用ください。

※速報値となるため、厚生労働省発表内容と異なる場合がございます。本コンテンツ・情報については、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。

情報が古くなっていることもございます。あらかじめご了承ください。

こちらからダウンロード

ICT化の検討


ICT(情報通信技術)の導入を検討することで、サービスの効率化や質の向上が期待できます。これは、報酬改定における新たな要件に対応する上で有効な手段となります。

介護職員の確保・定着に向けた取り組み


介護職員の確保と定着は、サービスの質を維持する上で不可欠です。職員の教育や待遇改善、職場環境の整備などに注力することが求められます。

まとめ

介護報酬の改定は、介護事業の運営において重要な要素です。2024年の改定内容を理解し、適切に対応することで、事業の持続的な成長とサービスの質の向上が期待できます。常に最新の情報を把握し、柔軟に対応することが事業成功の鍵となります。

土屋総研は、日本全国で福祉に携わる株式会社土屋グループの総合研究部門です。福祉サービスを利用する方の地域生活を維持することを目的として、共に地域を支える同業者へのコンサルティングも比較的安価で行っています。

また、土屋グループは介護報酬改定に関する情報も多数取り扱っていることから、事業所の課題に合わせたコンサルティングに強みを持ち、総合的なサポートが可能です。介護報酬改定に頭を悩ませていらっしゃる方はぜひ土屋総研にご相談ください。

土屋総研へのお問い合わせはこちら