訪問介護の集客方法|具体的な集客施策やサービス向上施策を徹底解説

スタッフの負担を軽減し、働きやすい職場にするためには、業務の改善が不可欠です。この記事では、介護業務を改善させるメリット、そして働きやすい環境にするためのアイデアを紹介します。


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高齢化が進み、訪問介護のニーズが高まっている中、介護事業所の競争は激化しています。この記事では、集客のヒントとなるポイントについて解説します。

【準備編】訪問介護における集客方法


集客を始める前に、まずしっかり取り組みたいのが、事前準備です。自社の強みやエリアについて調査・分析し、いま必要な要素を整理していきます。ここでは、具体的な方法についてご紹介します。

1.自社の強み・弱みを明確化する


1つめのステップは、自社の強みと弱みを分析し、明確に言語化していくことです。強みを活かし、弱みを改善する方法を探ることで、競争力の向上につなげます。

分析にはさまざまな手法がありますが、なかでもおすすめなのが、SWOT分析です。

SWOT分析とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4要素から自社を分析するフレームワークです。

内部環境のプラス要素(強み)とマイナス要素(弱み)、外部環境のプラス要素(機会)とマイナス要素(脅威)をそれぞれかけあわせて分析することで、自社を取り巻く状況を分かりやすく把握することができます。


2.自社のセールスポイントの確立


分析で分かった自社の強みをもとに、競合他社との差別化をはかっていきます。「他社にはなくて自社にあるものは何か」を明確にすることが、選ばれる介護事業所になる上で重要になります。

セールスポイントは、突飛なものである必要はありません。「経験と専門性が豊富なスタッフがそろっている」「なるべく先回りせず、利用者の自立を促す支援をしている」といった要素も、磨いていけば大きな強みになり得ます。

また、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」「夜間対応型訪問介護」「訪問入浴介護」に対応している場合も、セールスポイントにつながる可能性があります。


3.商圏調査・エリアマーケティング


集客を考える上でもうひとつ大事なのは、自分たちの事業所を取り巻く商圏を調査・分析することです。

地域にどれくらいの高齢者がいて、そのうち要介護者を占める割合はどれくらいなのか。競合他社はどれくらいいるのか、これらをしっかり把握することで、ニーズの所在が少しずつ見えてきます。

調査や分析には、人口動態や商圏調査のアプリを活用するのが有効です。

また、利用者の自宅が事業所から大きく離れていると、移動に費やす時間が長くなり、職員の負担も増えます。そもそもどこを集客エリアとするのかも、重要なポイントです。

【施策編】訪問介護における集客方法

調査と分析を終えたら、今度は実践に移っていきます。ここでは、訪問介護における基本的な集客方法について紹介します。


1.ケアマネジャーとの連携強化


集客するうえで非常に重要なのが、ケアマネジャーとの信頼関係です。ケアマネとの連携を強化することで、利用者を紹介してもらえるチャンスを増やします。

とはいえ、一朝一夕でいくものではありません。まずは事業所の存在を知ってもらうため、地域の事例検討会などに積極的に参加し、顔をあわせる機会を増やしましょう。

少しずつ関係性ができてきたら、事業者の強みをアピールします。新規利用者を受け入れられる曜日・時間帯も、定期的に伝えましょう。


2.介護関連機関への訪問営業


居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、病院など、地域の介護関連機関に事業所の存在を認知してもらうことも大切です。

担当者にアポをとって、訪問営業してみましょう。利用者増はもちろん、今後の連携強化にもつながります。

訪問営業で重要なのが、一度行って終わりにしないことです。どれだけ良い話ができても、一度しか顔を見ていない人を信頼して仕事を任せるのは難しいため、こまめに訪問して信頼関係を構築する必要があります。

ただし、訪問回数を増やしすぎて、相手の仕事を邪魔しないよう注意しましょう。


3.訪問介護員の空き情報の共有


訪問介護に関わる各施設に、訪問介護員の空き情報を共有することも重要です。訪問介護の集客を行う主要施設は以下の3つです。

  • ・居宅介護支援事業所
  • ・地域包括支援センター
  • ・医療機関


チラシ・ポスティング


チラシ・ポスティングはエリアを絞って配布できるため、サービスを展開する範囲に住む高齢者に直接アプローチできるのが魅力です。

チラシを直接手渡しして声かけすれば、親近感を得られます。また、ポスティングは反響率が低いといわれていますが、介護サービスを必要とする方は自宅で過ごすことが多いため、チラシを見てもらえる確率は十分あります。


ホームページ


ホームページは、事業所のコンセプトや特徴が伝わりやすいのが魅力です。

施設内の写真を掲載する、スタッフのブログを載せるなどすると事業所内の雰囲気がわかるので、問い合わせの増加につながります。

広告出稿


新聞やフリーペーパー、地元の情報雑誌などの媒体に広告を出すのも、事業所の集客に有効です。ポスティングと同じく、エリアを絞った宣伝ができます。

最近はインターネットで情報を集める人も多いので、ネット広告を配信するのもおすすめです。


ポータルサイト


前述のとおり、インターネットで情報収集する人が増えているため、訪問介護の事業所が掲載されているポータルサイトに登録して、認知度アップを図るのも効果的です。

ポータルサイトを見るのは、今まさに訪問介護の事業所を探している人なので、集客に結びつきやすいというメリットがあります。

SNS


X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSが生活に根付いた昨今、これらを事業所の宣伝ツールとして活用することもできます。

こまめに事業所の情報発信をすれば、事業所内の雰囲気やサービス内容などが伝わって親近感が湧きやすくなるため、集客につながると考えられます。


5.地域住民との関わりを増やす


地域での認知度を上げるには、介護・福祉関係者だけでなく、地域住民と関係性を築くのも大切です。

関わり方はさまざまですが、地域行事に参加したり、協賛したりするのも選択肢の一つです。地域の文化や特性に合わせて、柔軟に対応しましょう。

【サービス向上施策編】訪問介護で利用者定着・リピートを促すための方法

せっかく集客できても、利用者が定着しなければ、事業所の評判に悪影響を与えかねません。サービスの質をどう向上していくかも、しっかり意識したいところです。

高品質なサービスは、信頼と評判に直結します。口コミなどによる集客はもちろん、ケアマネからの推薦も得やすくなります。ここでは、サービス向上につながる取り組み事例を紹介します。

1.研修会の実施

利用者の命に大きくかかわる訪問介護。やはりサービス向上の肝となるのは、介護職員のスキルです。定期的な研修会を実施することで、最新の技術や知識の習得につながります。

また、研修会は、職員が日頃抱いている疑問や悩みを解消する場にもなります。コミュニケーションの円滑化をはかることで、職員の離職防止にもつながるかもしれません。


2.利用者のニーズに合わせたサービス展開


新規顧客の開拓ももちろん大切ですが、忘れてはならないのが、既存顧客の満足度。利用者さんからの紹介や口コミは、あらたな集客につながる可能性があります。

利用者さんと密にコミュニケーションを取り、ニーズをしっかり聞き取ることは、サービス向上に大きく寄与します。フィードバックを持ち帰り、事業所全体で共有する体制を整えましょう。


3.関連機関との連携強化


地域の医療機関や福祉サービスとの連携は、利用者の生活を総合的にサポートするのに有効です。実際、すでに多職種連携チームで動いているケースも多いのではないでしょうか。

他分野の専門家や機関からの意見は、サービス向上につながる貴重な視点です。ぜひ活かしていきましょう。

まとめ

訪問介護の集客で大切なのは、確実な戦略を立てることです。自社の特性や強みをしっかり分析し、商圏や地域について調査することで、集客の方針を定めます。

関係機関との信頼関係の構築や、サービスの質向上も、大きなポイントとなります。がむしゃらに広告媒体を増やす前に、一度腰を据えて、しっかりと見通しを立てるのが有効でしょう。

専門家によるコンサルティングを受ければ、戦略立案はもちろん、それぞれの段階に沿った助言が得られます。事業所の強みや課題を、第三者の客観的な視点で分析できるのも利点です。

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