デイサービスの利用者を増やす方法とは?効果的な営業媒体なども解説

昨今の高齢者人口の増加に伴い、地域に高齢の方が多くいたとしても、なかなか自社の利用に結びつかないと悩まれている経営者はよく見受けられます。この記事では、デイサービスの利用者を増やすために押さえるべきポイントを解説します。


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デイサービスの利用者を増やす4つの方法

デイサービスの利用者を増やすためには4つの方法を用いて、自法人の強みを明確化させ、利用者へのアピールを強化する事が求められます。

1.デイサービスのコンセプトを戦略に落とし込む

事業所の強みや特性をといったコンセプトに戦略に落とし込むことが重要になります。コンセプトでは、“なぜ、どのように、誰が、どんなサービスを、どんな場所で”提供するのかといった部分をまず言語化することから始めましょう。

例えば、
・なぜ→生き生きと健康に日常生活を送れるために
・どのように→営業活動や、人材育成を通じて
・誰が→質が高く思いやりのある介護スタッフ
・どんなサービスを→外出支援や機能訓練で心身ともに豊かに
・どんな場所で→〇〇市

2.コンセプトをアピールする営業媒体を用意する

次に、上記で策定したコンセプトについて、デイサービスの利用を検討している地域住民に適切にアピールするためには、営業媒体への落とし込みが必要です。コンセプトを落とし込んだ営業媒体を使用して、営業活動を行いましょう。

自社のコンセプトがアピールしやすいように、写真やデータなどを活用するのも効果的です。
※具体的な媒体については後述します。

3.適した営業先を選定して訪問する

デイサービスの利用者を獲得するために適した営業先をリストアップしましょう。例えば、地域のケアマネージャー、地域包括支援センター、医療機関の相談支援員などのソーシャルワーカーがターゲットに相当します。

利用者を紹介してもらうためにも、定期的な訪問や、情報交換を行うことが重要です。準備した営業媒体をフル活用しましょう。

4.地域のケアマネージャーとの信頼関係を構築する

デイサービスをはじめ、介護サービスの利用者はほとんどがケアマネージャーによる紹介が入口となります。より多くの利用者を紹介してもらうためにも、地域のケアマネージャーとは信頼関係を気付いておく必要があります。

事業所のコンセプトはもちろん、サービス内容や雰囲気、現状などを共有することが大切です。評価を高めるためにも、サービスの質を高める施策にも取り組みましょう。

デイサービスの利用者を増やすために活用できる営業媒体

デイサービス市場は非常に活発であることからも、受け身の姿勢で運営が成り立つことはありません。さまざまな営業媒体を用いて、自社サービスの魅力を発信することが必要です。

それぞれの媒体には最初に言語化したデイホームのコンセプトが視覚的に伝わるような構成を意識づける事で、将来的な“ブランディング”にもつながります。

ただし、実際の写真を使用する場合には、個々のプライバシーに配慮したり、事前に掲載の同意を得たりするなど、事後のトラブルが発生しないように注意しましょう。

デイサービスを紹介するホームページ・ブログ

公式ホームページやブログを作成すれば、雰囲気や具体的なサービス内容、日頃の様子などが伝えやすいです。デイサービスの利用を考えている人やその家族がインターネットで情報収集しているときのアピールになります。

自分自身が利用を想定しているときにどんな検索キーワードを使っているのかといった要素(SEO対策)を意識しながら作成することが重要です。

具体的なサービス内容が分かるパンフレット

どのようなデイサービスなのかが一目で分かるようなパンフレットを作成しましょう。写真やイラスト、文章を組み合わせてコンセプトが伝わるような構成にすることが大切です。

福祉サービスに詳しい人はもちろん、そうでない人にもわかりやすく簡潔にまとめることが大事なポイントです。

営業先でパンフレットをもとに話をしたり、パンフレットを置いてもらったりすることで利用者の紹介に活用できます。文字数が多くなり過ぎると、情報過多で伝わりにくくなる場合もありますので、相手に伝わりやすい、明確で簡単な言葉選びのセンスも重要です。

ポスティングができるチラシ

地域の住民にデイサービスの存在を認知してもらうのに役立ちます。1枚でわかりやすくコンセプトが伝わるように作成しましょう。

冊子などよりも手に取ってもらいやすいものの、読んでもらえなかったり、クレームが発生したりする可能性もあるので注意してください。

対象とするエリアが広い場合、ポスティング業社を活用する事でスピーディーな広告展開も可能になる場合があります。

SNS

SNSは鮮度の高い情報発信ができることから、利用者となりえそうなターゲットやそのご家族などに届きやすい媒体といえます。もちろん、届きやすくするためには日々の更新作業が必要となることから、専任のスタッフ配置やローテーションを組んで発信することが大事です。

また、利用者にとっても、通所を検討する前に実際の様子を知ることにつながり、ミスマッチが発生しにくくなるといった利点もあります。

デイサービスの既存利用者を減らさない方法

デイサービスの利用者を増やしたいなら、既存の利用者を減らさないことも大切です。

利用者の満足度を高める

利用者に楽しく過ごしてもらえるようにサービス向上を目指しましょう。利用者に「また来たい」と思ってもらえれば、長期的な利用や欠席防止につながります。既存利用者による口コミや評判が良ければ、新規利用者の獲得にも寄与します。

さまざまな企業が色々な特色をもってサービス提供しているため、飽きられないこと・退屈を感じさせないことも重要です。シーズンごとのイベントや季節に応じた行事等、利用者が日々を楽しく感じ、満足度を高められるイベントを実施する事も有用です。

また、男性はレクリエーション活動に対して『恥ずかしい』や『面倒だ』といったマイナス面を感じて利用が減少する傾向があることからも、利用者の属性に合わせたバリエーションを考慮してマンネリ化をなくすことも大切です。

欠席者をフォローする

欠席された利用者がいた場合には、振り替えの連絡などのフォローをしましょう。前日連絡をする、理由をまとめて改善する、皆勤の利用者は表彰するなどもおすすめです。

スタッフの教育に力を入れる

サービス向上にはスタッフの教育も欠かせません。適切なケアや楽しい空間づくりをするために、マニュアル作成や研修・セミナーの受講などに力を入れましょう。また、スタッフ自身の自主性を高めるために職場環境の整備なども重要です。

なお、競争が激化しているグループホーム事業においては、適切なケアが出来ることは当たり前の要素になっていることからも、今まで以上に接遇面でのスキルが求められている状況もあります。

まとめ

デイサービスの利用者を増やすには、コンセプトを明確にしたり、積極的に情報発信したりすることが重要です。ただ、経営に追われる中で、ご自身がすべて引き受けるのは困難なことでもあります。

デイサービスの利用者がなかなか集まらず、資金繰りや経営に悩みがあるなら、福祉サービスに強い専門企業のコンサルティングを受ける方法もあります。専門的な知識や豊富な経験によるノウハウを共有してもらえれば、今後の経営に役立ちます。

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