後継者不足…廃業?介護経営に寄り添う事業承継(救済型M&A)の実例紹介!

スタッフの負担を軽減し、働きやすい職場にするためには、業務の改善が不可欠です。この記事では、介護業務を改善させるメリット、そして働きやすい環境にするためのアイデアを紹介します。


この記事は約8分で読み終わります。





『赤字じゃないけど、今後の先行きに不安がある』
『後継者が見つからず、自分自身も歳を重ねてしまった』
『このままだと利用者の行き場がなくなる』


こういった悩みを抱える介護事業所の経営者さんは少なくありません。


  • ・従業員が仕事を続けられる環境に対する課題
  • ・事業所を利用している方々の今後の生活に対する悩み


これらは介護事業を運営する上で尽きないものです。


この記事では、介護事業を運営している経営者さんたちのこのような悩みに対して、障害福祉事業のリーディングカンパニーであり、


また、“トータルケアカンパニー”として様々な介護事業を展開している“株式会社土屋”(以下、土屋)が取り組んでいる『介護事業者に寄り添った』事業の引継ぎ…つまり、


事業承継に関する動画とその内容をご紹介します。





ビジネスの力で『社会課題』を解決するとは…



本記事のタイトルにもある “M&A”という単語を耳にすると『大企業が中小企業を飲み込んで、更に巨大な存在になる』というステレオタイプな企業買収のイメージが先行するため、ネガティブな印象を持つ方は少なくないと思います。


今回ご紹介した動画は、実際に様々な事業を引き継いでいる土屋がどんな企業なのか?というところからスタートしています。


株式会社土屋とは…


  • ・岡山県井原市を本社に介護事業を運営する株式会社
  • ・2020年8月の設立から3年8か月(2024年4月時点)
  • ・従業員数はスタート時の約700名から約2,500名(2023年9月時点)に拡大
  • ・47都道府県全てに事業所を展開(拠点数は合計で100拠点以上)
  • ・売上高は50億円超(創業から2年経過時点)
  • ・主な事業は“重度訪問介護”が中核、居宅サービスや訪問看護、研修事業等も運営


この内容だけ読むと


「どうしてこんなに急成長しているのか?」「無理矢理に規模拡大させているのでは?」


と不安を感じる方もいると思います。


急成長の背景にある成長のカギとその理念は…


  • ・バックオフィス部門を統合することでの高効率性の維持
  • ・介護従事職員が本業の“支援”に注力できる環境づくり
  • ・コロナ禍を起因としたコミュニケーションロスへの対策
    (DX:デジタルトランスフォーメーション化)
  • ・ケアを求める未来の利用者に対するアプローチ


といった、利用者(土屋ではクライアントと呼称)とそこに相対するヘルパー(土屋ではアテンダントと呼称)をファーストに考えた事業構築が成長のカギになっています。


  • 『助けを求めている利用者がいるから、新事業所を展開する』
  • 『介護の担い手がいないから、研修事業(機関)を開校する』
  • 『訪問介護だけでカバーできないから、訪問看護を開設する』
  • 『利用者は障害福祉だけではないから、介護保険に取り組む』
  • 『高齢分野の依頼に応えるためにも、施設や通所を運営する』
  • 『身体障害だけでなく、知的障害に対してもアプローチする』
  • 『医療ケアニーズのある“子ども”のケアにもチャレンジする』
  • 『ソーシャルインクルージョン実現のための乖離を解消する』


このように全ての流れが連綿と繋がり、そして循環していく構造を生み出すことが土屋が掲げている“トータルケアカンパニー”の根幹にあります。

土屋は何故“M&A”に積極的に取り組んでいるのか?



急成長を遂げる土屋がM&Aに取り組む理由は動画内でも触れられていますが、その動機はどこにあるのでしょうか?


その答えは介護業界全体が昔から抱える課題=人材難を起因とする問題解消へのアプローチが1つの理由です。


人材難による倒産・廃業が原因で、利用者が生活の場を喪失してしまう。


つまり…ケアを受けられなくなる『介護難民問題』を解消する事に注力しているからです。




出典:東京商工リサーチ調べ


昨今ニュース等でも報道されている通り、介護事業の倒産件数は過去最多を記録している状況があります。


直近の介護業界は逆風にさらされている



ここ数年は特に厳しい環境に置かれている介護業界おいて、自事業所内での自助努力だけではどうにもならない事業者も少なくありません。


介護需要の増加に対する担い手の供給力が追いつかない、そういった中でも年齢を重ねた職員が退職せざるを得ない。昨今のコロナ禍において、事業継続が厳しくなり、職員も次々に離職してしまったといった状況もあります。


そういった厳しい状況に対して、土屋は47都道府県全域に展開している“スケールメリット”や、様々な介護・看護資格を持ったスタッフが各地に在籍している “柔軟性の高さ”から、


同じ介護事業を営む仲間のピンチ、ひいてはその利用者の生活を支えるインフラ機能の保持を目的とした“救済型”のM&Aにより、事業者同士が手を取り合うことを目的とした “事業承継”を行っています。

“救済型”M&Aを実施するにはそれ以外の理由があるか?



土屋は障害福祉分野である“重度訪問介護”サービスを事業の根幹としています。重度訪問介護の分野においては『リーディングカンパニー』と名乗れるほどの知見や経験値を持っています。


ただ、重度訪問介護以外の介護分野に関しては知見も経験も人材も不足しているのが事実です。


だからこそ、M&Aによって元々の事業者(や代表者さん)が持っている財産(人的財産・知識財産)を受け継ぎ、そのリソースを最大限に活かすことで、将来的な事業運営の柱へと成長させる事を目的としています。


受け渡す側も、受け継ぐ側も“同じ志”を持って、利用者やそこに働く仲間のために“三方良し”の考え方で事業承継を進めています。


実際に事業承継を経験した元代表たちは何を思うのか?



動画の中で、ご本人たちが話をされているときの口調や表情からも分かる通り土屋に対する“期待感”は非常に大きいものがあります。


ここからは動画の中に登場した“実際に事業承継を経験した”元代表たちのインタビュー内容についてお伝えしていきます。


農業生産法人の元代表者へのインタビュー



・事業概要:
農副連携を中心軸とした水耕栽培農業を行う就労支援事業所


・事業承継の理由:
個人事業主のような形での運営には限界を感じていて
この就労支援を持続可能な状態にしたい


・事業承継の効果:
土屋と一緒になることでの文化の違いが生まれ、
土屋全体の事業規模が大きいため、色々なことにチャレンジできる環境になった


デイホーム事業者の元代表者へのインタビュー



・事業概要:
認知症対応型共同生活介護・地域密着型通所介護


・事業承継の理由:
コロナ禍による利用者全員がコロナ感染、両要介護する職員も感染
職員の極端な疲弊を経験。少人数体制での運営に限界を痛感した


・事業承継の効果:
代表者(当該法人の社長)の年齢が15歳若返ったことで旧来のスタイルから刷新でき、新しい文化…『風』が入ってきた

動画のラストで社長は何を語るのか?



障害福祉に注力して成長してきた株式会社土屋が救済型M&Aを通じて


  • ・元々勤務していた従業員が備えていたスキルや資格、個々人の経験値を活性化
  • ・(それに伴って)新たな人的・財務的な様々な“資本”の創出



に繋がり、こういった資本を活用することで、高齢者福祉や児童福祉など幅広い分野に対しても


『ビジネスの力』を使って社会課題を解決していく事、そのための事業の柱を構築していきたい、誰もが幸福感や生きがいを実感できる、そんな情景整備をしていきたいと高浜代表は宣言しています。

まとめ



介護業界が抱える課題は常に山積していて、時に志半ばで廃業や倒産を選択せざるを得ない事業者も少なくありません。


そういった中で、利用者も従業員も経営者も、その想いを絶やすことない選択肢として“M&A”(事業承継)があることを、この記事やご紹介した動画でお伝えできたのではないでしょうか?


ご自身だけで考えている中で、前に進むことも、また後ろに退くことも困難な状況に直面するケースはどの事業者にとってもあり得ることです。


介護事業を営む中で発生するクリティカルな問題や、その予兆に対しては専門家に相談を行うことが重要です。


第三者的な観点からのアドバイスが時に活路を見出す光明となります。専門的な知識や豊富な経験によるノウハウを共有してもらえれば、今後の経営に役立ちます。


株式会社土屋が運営している土屋総研は、日本全国で福祉・看護に携わる株式会社土屋グループの総合研究部門です。全国で訪問介護事業の展開も行っていることから同業者へのコンサルティングも行っています。


また、土屋グループは、多数の事業承継、M&A実績があり、全国各地に人材教育研修機関を有していることから、様々な局面でお力添えをすることも可能です。ぜひご相談ください。